【チャンピオンズC予想】香港馬ガンピットはダートを走れるのか?
ガンピット(せん5)
生年月日:2010年10月23日
調教師:C.ファウンズ(香港)
馬主:チェン・チュン・ワ
産地:オーストラリア
通算成績:18戦8勝 [8-2-1-7]
主な勝鞍:ジャクソンハンデキャップ(※クラス1)
血統:父Dubawi、母MagicTori
※香港競馬のクラス分けは、上からクラス1?5に分けられており、その他にグレードレースや新馬戦などがある。クラス分けは勝利数で決まるのではなく、馬ごとにレース結果を基に決められるレーティングによって決められる。レースは各クラス毎に、例えばクラス2(100-080)などと決められており、数値の範囲内のレーティングを持っている馬が出走可能となる。
オールウェザーでは負けなし
香港競馬にはダートがない。その代わり、竹素材と砂が混じった”オールウェザー”というコースがある。オールウェザーは簡単に言えば、砂とゴムのくずや化学繊維などといった素材を混ぜた人工馬場である。
↑は香港のシャティン競馬場のオールウェザー。シャティンのオールウェザーはポリトラックやタペタといった人工物ではなく、土主体のアメリカのダートのような馬場になっている。グリップ性も高くスピードが出る馬場で、タイムも速い時計が出る。
このオールウェザーではガンピットは7戦7勝と負けなしである。
ダートは未経験
日本のダートは初めてとなるガンピットだが、砂主体の日本のダートにどこまで対応できるかがこの馬を予想する上での重要なポイントとなるだろう。
香港のオールウェザーで活躍している他の馬を見てみよう。10月のスプリンターズS(G?、7着)に出走した香港馬のリッチタペストリー(せん7)は香港のオールウェザーで2戦2勝している。その後アメリカのダート戦のサンタアニタスプリントCS(G?)で優勝していることなどから、香港のオールウェザーとアメリカのダートは相性は良さそうに思える。
ただ、深い砂の馬場の日本のダートはスピードよりもパワーが求められる特殊なコースである。他の国では見られない特殊な馬場なため、外国馬にとってはやっかいな馬場なのではないだろうか。昨年のチャンピオンズカップにはアメリカのダート馬・インペラティヴが出走したが15着に敗れ、一昨年のチャンピオンズカップ(当時ジャパンカップダート)にはアメリカのパンツオンファイアが出走するも最下位に敗れた。
外国馬自体同レースで好走することは少なく、最期に外国馬が勝ったのは2003年のジャパンダートダービーに出走したアメリカのダート馬・フリートストリートダンサーだ。それ以来、10年以上外国馬による優勝はない。データ的に見ても外国馬に重い印は打ちづらい。
ガンピットに関しても、初の海外遠征、初の左回り、1650m以上のレースで勝ったことがない、といったように馬場適性以外にも不安材料が多い。前走のジャクソンハンデキャップ(クラス1)では勝ちタイムが1分36秒34と、1650mにしてはかなり速いタイムだが、重くパワーのいる馬場に変わって本来の力が発揮できない場合もある。
近走は斤量が60?60.5kgを背負って走ることが多かったガンピットだが、今回は57kgと軽くなる。エアロヴェロシティといった香港馬で高松宮記念を優勝するなどして日本でも活躍が目覚ましい香港の名手・Z.パートン騎手が手綱を握るのも心強い。不安材料も多いが新たな挑戦には常に壁がある。これらの壁を乗り越え、世界挑戦へ向けた輝かしい第一歩を歩めるだろうか。ダート王者決定戦でどんな走りを見せるのか今から楽しみである。
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